「シリコンバレーによる搾取の終わり」
現在我々の生活はシリコンバレー発のサービスに依存している。アマゾンやグーグルやアップルなど、GAFAと呼ばれる巨大IT企業に搾取されているといっても過言ではない。
アップルストアでアプリを売る場合、30%も手数料を取られる。日本に残った3割の富が彼らに吸い上げられてしまうのだ。
こうした状況に終止符を打ち、ローカルな経済圏をつくるための武器となるのが、ブロックチェーン化であり、トークンエコノミー化なのである。
日本国内でローカルの事情にあったプラットフォームをつくることで、沖縄トークンのようなローカルな仮想通貨が生まれ、そこで起業家が活躍して新たなサービスが生まれてくるかもしれない。
そうなればシリコンバレーから搾取されることもなくなり、我々は豊かな生活を取り戻せるに違いないのだ。
「世界VSカリフォルニア帝国」
全世界で無料のサービスを薄く配り、覇権を握っているGAFAから富を奪い返すにはブロックチェーンやビットコインなどのエコシステムを使って、新しいデジタル世界を構築していくしかない。
カリフォルニア州は、GDPでいうと世界6位の規模にある。イタリア経済より大きい。
こうしたカリフォルニア帝国に対抗するトークンエコノミーの基盤のひとつになるのが、仮想通貨だ。
しかしながら、今、ビットコインの基盤が揺れている。ビットコインの本質は、通貨として使われることにあるのに、その本質から離れて、単なる投機の道具として使われている。
ビットコインは、国に関係なく世界中で取引できるという点で、ドルに代わる基軸通貨になる可能性がある。しかし、投機マネーの流入によって、不安定になっている。これはデジタルエコシステムを支えるひとたちにとって、望ましくない。
日本人は今、ビットコインを世界でもっとも多く持っている国民である。だからこそ日本にとって重要なビットコインをしっかり守っていかないといけない。
「ビットコインの未来を占う3つの問い」
ひとつ目は、「実世界で本当に使うのか」ということ。
通貨というのは、実際の取引に使われないと意味がない。投機の対象になれば、かつてのチューリップバブルのようになってしまう。それではカジノと同じである。まだ十分に使われておらず、実際に使える店舗も限られている。
メガバンクなども独自のコインを発行しているが、これもほかのコインとポイントカードと交換可能になって、実際のモノの購入に使用可能になることが決定的に重要である。
2つ目は「本当の非中央集権とは何か」である。
非中央集権とは個々のプレイヤーが好き放題やるということではない。巨大なプラットフォーマーが利益を独占する世界でもない。そこに参加している人たち全員が利益を享受できるような世界である。
そこで追求すべき指標は、個々のプレイヤーの時価総額ではなく、市場全体の規模である。1社の時価総額を上げて、そこで株式を売り払ってお金持ちが生まれるというゲームではなく、人類全体のためになるゲームをつくる。
インターネットも同じく1社が独占して好き放題にすれば衰退するだろう。それと同じくトークンエコノミーも全体の利益、公共の利益を考えなければならない。
3つ目の問いは「オールドエコノミーとの戦いに勝てるか」である。
ウォール街の投資銀行など既存の金融利権を持った勢力と富の奪い合いがはじまっている。彼らは、簡単なものをわざと難しくすることで一般大衆が金融サービスにアクセスできないようにしてきた。
そして、仮想通貨にも規制を導入して、既得権益を守ろうとしている。投資銀行はビットコインの市場に投機マネーを流入させて、相場を混乱させる。こうした揺さぶりに、新勢力は負けてはいけない。
「人類史上稀有なチャンス」
いつまでもカリフォルニア帝国の天下が続くとは限らない。2024年ぐらいには中国のGDPがアメリカのGDPを超えると予測されている。またインドも急速な勢いで成長している。経済の中心も文化の中心もアジアへと流れている。
デジタルネイチャーの世界では、あらゆるものがパーソナライズされる。日本はソフトウェアが得意ではないので、ローカルな問題を解決するような若いベンチャーを日本中にばらまくことで勝機を見出すしかない。
機械と相性のいい日本は、あらゆる国のモデルケースとして、あらゆるものを自動化した国になれる可能性が十分にある。
そして、自動化を進めると同時に、文化的に優れた国になれる可能性が十分にある。
東京が東洋のパリになれるかを真剣に考えたほうがいい。
日本の人口減少は自動化を進める上でプラスに働く。人口増加社会において仕事を減らそうとすると、口減らしをしないと多分無理である。それは人道的によくないことだ。しかし、日本のように人口が減少する社会であれば、ロボットで自動化を進めるといった新しい仕組みを取り入れやすくなる。
だから人口減少は人類史上稀有なチャンスなのである。みなで行動していけば、きっと日本の未来は明るくなるはず。
アテクシの意見
我々の生活はいまや、グーグルやらアップルやらのシリコンバレーハイテク企業なしでは成り立ちません。しかし、このまま彼らに依存していては、富の大半を奪われるだけに終わってしまいます。
我々が豊かになるためには、我々自身がプラットフォームを作って、そこで商売することで、富を自分たちの間で循環させていかなければならないわけです。
とはいえ、いまさらグーグルみたいな企業が日本に登場するのか?というと、難しそうですね。
日本人がこの先豊かさを維持しながら少子高齢社会を生き延びるためには、自分たちの強みを認識して、シリコンバレー企業と直接競合しない分野で競争力を高めていく必要があると思います。
まぁいわゆるニッチってやつですね。もちろん、いずれはシリコンバレーやら中国企業やらが巨大資本で参入してくるかもしれませんが、そうなったらなったで、次のニッチを求めて移動できるだけの柔軟性を身につけることも必要かと思われます。
もはや、ひとつの場所や産業にとらわれすぎると、いっしょに沈没してしまうような時代です。自分の状態と周りの環境を見比べ、時代にあわせて、ライフスタイルを変化させていくことが必要ではないでしょうか?