あるところに、とても仲の良いおじいちゃんとおばあちゃんがいました。
ある日、目が覚めるとおじいちゃんの姿が見当たりません。
心配になったおばあちゃんは、外に様子を見に行きました。
すると、おじいちゃんが何やら照れたように、はにかみながらこちらへ向かってきます。
おばあちゃんはおじいちゃんに、どこに行っていたの?と聞くと、おじいちゃんは照れながら
花を探していたんだよ。今日はおばあちゃんの誕生日だからね。とびっきりの花を取ってこようと思って。
と言いながら、おばあちゃんにそのとびっきりのお花を渡しました。
おばあちゃんはとても嬉しくなり、どんな高い物より一番の贈り物だよと言って、とても大事そうにその花を抱きしめました。
それからというもの、おばあちゃんはその花に毎日水をやり、日差しを浴びせて、沢山の愛情を注ぎました。
その花は、不思議と枯れることがありませんでした。
時が経ち、おばあちゃんが亡くなって、おじいちゃんが一人になっても、
おじいちゃんのそばでずっと、おばあちゃんが生きていた頃のまま、美しく、鮮やかに咲き続けているのでした。